音楽枕草子

クラッシク音楽や読書から趣味などの身辺雑記も含め、感想として綴ったblogです。

感想記

レコード芸術2023年総集編(ONTOMO MOOK)読了記録

レコード芸術2023年総集編 音楽之友社(ONTOMO MOOK)

シューベルト:歌劇「フィエラブラス」~クラウディオ・アバド没後10年①

シューベルトのオペラときいてピンとくる方はクラッシク音楽きく方でも少ないのではないでしょうか。 かく云う私もそのひとりです。 もっぱらシューベルトの劇音楽は台本・音楽も含めて駄作という烙印が押され、このジャンルに限らず、未完や断片が多いこと…

映画「ナポレオン」個人的レヴュー投稿

公開中の「ナポレオン」が夜間上演時間に変更になり、やっと観てきました(公開から3週間が経過しているので、私を含め4人の鑑賞者でした) *できれば字幕スーパー版と吹き替え版を観たかったのですが、吹き替え版は公開が終了していました。 小学校の頃…

演奏会~J.S.バッハ「マタイ受難曲」オルケストラ・クラシカ

この作品を完全に分かっているかと問われれば、首を縦に振ることはとてもできないですが、先日実演をきいてた感想記の投稿をしておきます。 演奏メンバー・会場は以下の通りです。 指揮者の中田延亮さんは国内外のオーケストラや歌劇場で活動している方で、…

「ギリシア人の物語」塩野七生さん著(新潮文庫)全4巻

私の好きな作家のひとり塩野七生さん。その最後となる歴史長編が新潮社から4冊の文庫化されましたので、その感想をここに書いておきたいと思います。 初塩野七生さんの著書体験は「ローマ人の物語」からでした。それから「ローマ亡き後の地中海世界」を読み…

生誕300年~作曲家カール・フリードリヒ・アーベル①

今週もアニバーサリーの音楽家の投稿となります。 生誕300年の作曲家カール・フリードリヒ・アーベル Carl Friedrich Abel (1723.12.22~1787.6.20)です。 アニバーサリー・イヤーでも誰も気にしない作曲家であるとは思いますが、私に…

【アーカイヴ】ヴォルフガング・サヴァリッシュ生誕100年&没後10年

*今週は息子の野球応援などでブログを投稿する時間がありませんので、以前別ブログに書いたものを再校正にて投稿とさせていただきます。 今年はドイツ出身の指揮者ヴォルフガング・サヴァリッシュの生誕100年(1923年8月26日)&没後10年(20…

ルートヴィヒ2世関連書籍を読む

バイエルン第4代国王のルートヴィヒ2世(1845=1886)はノイヴァンシュタイン城をはじめとした数々の築城、ワーグナーに心酔しバイロイト祝祭劇場の建築に入れ込みすぎ、国の財政を圧迫させ、政局の混乱を引き起こし廃位された後に謎の死を迎えた…

セイジ・オザワ松本フェスティバルへの独り言②

フェスティバルは終わりましたが、先週からの続きで、長過ぎる独り言にお付き合い頂ければ幸いです。 「サイトウ・キネン・オーケストラ」はいわば同窓会オーケストラが母体の臨時編成ですが、古今東西こういった寄せ集めオーケストラが密度濃い演奏が成功し…

セイジ・オザワ松本フェスティバルへの独り言①

今年はもう間もなく閉幕しますが―既に30年くらい開催されているのでしょうか? (サイトウ・キネン・フェスティバルといっていましたが、いつのまにかセイジ・オザワ松本フェスティバルに名称変更しているのですね) その開催地市民でありますが、行ったこ…

吉田秀和~音楽家の世界

日本を代表する音楽評論家の吉田秀和さんの初期著作の文庫新刊を読み、改めて学びがありました。 彼のドキュメンタリーを観たとき、締め切りが近づく中で、ペンを握る手が汗で滑りながら深夜から朝方までかけて脱稿した旨の回想がされていました。その時に書…

【アーカイブ】絶筆!?~モーツァルトのホルン協奏曲第1番

今日は朝早くから休日出勤で業務が予定より大幅に伸びてしまい、新規投稿ができませんでした。今週は読んだ本に関し、別ブログに投稿したしたものに修正を加えた「アーカイブ」投稿記事にお付き合いいただければ幸いです。 モーツァルトの35年間の短い生涯…

「村T」僕の愛したTシャツたち~読書感想記

書店の新刊本コーナーを見ていたら、村上春樹さんの『村T~僕の愛したTシャツたち』(新潮文庫)が目に入り購入しました。 まずびっくりしたのが価格。Tシャツコレクションがカラー写真で掲載されているとはいえ(後半の20ページ以上はTシャツの写真)…

N.ナット・オ・ダーク「1793」「1794」「1795」を読む

息子の通う高校の野球部が春季大会において決勝戦まで駒を進めることができたので、週末は応援・送迎等で音楽をきいたり、このブログの更新等が滞っていました。昨日も新潟県上越市まで練習試合の観戦に行ったりとしておりましたが、これで夏季大会までは週…

「レコード芸術」休刊に思ったこと

2023年7月号で休刊される音楽之友社刊「レコード芸術」 このニュースを知った時は「やっぱりね」という気持ちと「寂しい」という思いが交差しました。 私の定期購読歴は1989年から2015年頃までで、定期購読をしなくなったきっかけは、日本を代…

C.S.フォレスター「ホーンブロワ―・シリーズ」を読みました

今週は音楽を離れて最近読んだ本のことから―イギリスの作家セシル・スコット・フォレスター(1899~1966)の書いた代表作で海洋冒険小説の傑作のひとつ 海の男/ホーンブロワー・シリーズ(1)『海軍士官候補生』(ハヤカワ文庫)を読みました。以…

【アーカイブ】ふたつの「ベートーヴェンの生涯」を読んで

今週は読んだ本に関し、別ブログに投稿したしたものに加筆・修正を加えた「アーカイブ」投稿にお付き合い下さい。 2冊のベートーヴェン関連書籍を続けて読みました。 ロマン・ロラン著「ベートーヴェンの生涯」(岩波文庫)と山根銀二著「ベートーヴェンの…

名曲案内書の傑作

世間に「名曲紹介ガイド」なる本は多々あれど、なかなかこれは!というものにあたることはほとんどありません。 若いころは「名曲選」とか「きいておきたい名曲」とかなる本も読みましたが、年齢も重ねてそれなりに演奏会や、録音できける作品や演奏をきいて…

【アーカイブ】ホンモノの音楽をきく~

今週は読んだ本に関し、別ブログに投稿したしたものに修正を加えた「アーカイブ」投稿にお付き合い下さい。 剣豪小説家として有名な故・五味康祐氏はクラッシク音楽愛好家からすると、本業の剣豪小説かというよりも、著作「いい音、いい音楽」(中公文庫)を…

【アーカイブ】ジュリーニのブラームスとマルクス・アウレーリウスの「自省録」 

ランキング参加中音楽 本日はアーカイブにお付き合い下さい。 9年前の2014年、ジュリーニ生誕100年に書いた投稿の編集版です。 最近読んだ本の中で印象に残っているのは、マルクス・アウレリウスの「自省録」です(神谷美恵子訳 岩波文庫版) 私の愛…

【アーカイブ】「八月の砲声」とラヴェルのピアノ三重奏曲

今週の投稿はアーカイブのお付き合いをお願いします。以前投稿していたbloggerに、今の時代と共通する内容を書いていたので、こちらに改めて投稿させていただきます。 今年2014年は第一次世界大戦の開戦から100年経ちます。 そんなことも思いつつ先日…

没後60年~指揮者フェレンツ・フリッチャイ①

クラシック音楽のマニアといわれる方は、私など足元にも及ばず、様々な作曲家・演奏家を知って(きいて)おり、例えば誰かが「マーラーはバーンスタインに限る」と言えば「いやテンシュテットだ」「いやいやラトル」・・・延々と話が尽きません。 また、それぞ…

クラッシク音楽YouTube

近年は音楽を「パッケージソフト」として購入するということが、過去のものになり―もっとも店舗に赴かなくてもワンクリックで世界中の各ジャンルの音楽を入手することは当たり前になっています。最近の方はコンポ・CDプレーヤーを所有しておらず、音楽はも…