音楽枕草子

クラッシク音楽や読書から趣味などの身辺雑記も含め、感想として綴ったblogです。

「村T」僕の愛したTシャツたち~読書感想記

書店の新刊本コーナーを見ていたら、村上春樹さんの『村T~僕の愛したTシャツたち』(新潮文庫)が目に入り購入しました。

       

まずびっくりしたのが価格。Tシャツコレクションがカラー写真で掲載されているとはいえ(後半の20ページ以上はTシャツの写真)1冊税別950円!

だいたい700円位だろうと思ってレジに持っていったら、1,045円の表示を見て、あわてて1,000円札を準備しました・・・。

内容は題名の通り、著者のTシャツコレクションの数々を紹介文と共に掲載しているものです。副題も洒落がきいていていいですよね―「僕の愛したTシャツたち」・・・まるで恋愛小説みたい(笑)

そのTシャツの種類と話題は食(ハンバーガー、アルコール)からアニメ、動物、そしてサーフィンや海外体験(ごめんさない、海無し県の山育ち貧乏人にはそちらの経験がないのでピンとこないところがありますが)他にもダーウィンの「進化論」まで登場する幅広さ、Tシャツだけで1冊の本になってしまうとは驚きです。

元は雑誌連載を文庫化したもので、そこに対談とTシャツコレクションを追加された形なので気軽に読めます。文体も飄々としていて、読者に語りかけるようなのでスイスイ読み進めてしまいました(文庫にしては字が大きめなので、最近細かい字が見えなくなった私にはちょうどいい大きさと分量で、実質2~3時間で読めてしまいました)

個人的にはサラリーマン根性が抜けないせいか、Tシャツは夏の暑い休日に自宅で着用するくらいで(着ていたとしても、外出時はポロシャツなどのボタン付きシャツや、ジャケットとかカーディガンを羽織ってしまいます)文中で書いておられる、村上春樹スタイルにはなかなか踏み出せない私ですがー日本はもとより、海外でも著名な作家先生が、夏のスタイルはTシャツにハーフパンツでお出掛けしていることに、一般常識に囚われない村上春樹さんのライフスタイルに敬服します。

村上春樹さんの著作に触れると必ずインスパイアされることばかりなので、これからは季節柄もあり、絶対に行き交う人のTシャツばかり目が行くと思います。

あと、オペラなどクラッシク音楽関係のTシャツコレクションも掲載されており、こんな物もあるんだ!という発見もありました。