音楽枕草子

クラッシク音楽や読書から趣味などの身辺雑記も含め、感想として綴ったblogです。

不定期投稿:最近のお買い物から

不定期投稿のお買い物の投稿シリーズ!?にお付き合い下さい。

近くのリサイクルショップのLPレコードコーナーを覗いたら、以下のアイテムを入手したので投稿します。

*以前投稿したのと同じお店です。

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不定期投稿:最近のお買い物から - 音楽枕草子 (hatenablog.com)

 

1.ムソルグスキー組曲展覧会の絵」/交響詩「はげ山の一夜」

 指揮:カレル・アンチェルチェコ・フィルハーモニー管弦楽団

以前投稿しましたが、チェコ出身の指揮者カレル・アンチェル

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カレル・アンチェル没後50年 - 音楽枕草子 (hatenablog.com)

もっぱら彼のレパートリーといえスメタナドヴォルザークヤナーチェクの「お国もの」が中心となりますが、ムソルグスキーの録音は知らなかったので資料用として入手しました。

 

2.ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」

 ソプラノ:エリーザベト・シュワルツコップ/アルト:マルガ・ヘフゲン

 テノール:エルンスト・ヘフリガー/バス:オットー・エーデルマン

 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤンフィルハーモニア管弦楽団

カラヤン最初のベートーヴェン交響曲全集録音から。

ちょうど第1楽章を耳にすることがあり、こんなに引き締まっていながら、豊かなフレージングもきける演奏だったのか!と驚いたところでしたので購入。

歌手の顔ぶれから見てわかりますが、ウィーン(録音場所:ムジークフェラインザール)にロンドンからオーケストラを招聘して録音したものです。

第1番~第8番はロンドンにて録音しているので、第9番の為の贅沢な録音セッションです。歌手をロンドンに呼ぶという方法もあったと思いますが、プロデューサーのウォルター・レッグorカラヤンの録音会場も含めたこだわり、歌手のスケジュールの関係もあったのでしょうか?

また、この録音にはモノラルとステレオが残されていますが、このレコードはステレオです。

レコード番号はAW5524なのでオリジナルのEMI盤ではないと思います(ジャケット・デザインから想像するに、カラヤン名演集とかの頒布用廉価盤シリーズの1枚と思います)

もうひとつマニアック情報ですが、カラヤンはこの録音の約1か月前、6月25日と26日にウィーン交響楽団と第9番を演奏しています(独唱者はエーデルマンのみ重複、録音は残っていないようです)

 

3.ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」

 イ・ムジチ合奏団 ヴァイオリン:フェリックス・アーヨ

今更「四季」、それもイ・ムジチ合奏団の演奏!?とお思いになる方が多いと思います(昨年秋にも来日して全国公演したと思います。私の住む地方都市にも公演ポスターが貼ってありました)

昔々のベストセラー・レコードで、ヴィヴァルディの「四季」=イ・ムジチの代名詞といわれたそうですが、このアーヨのヴァイオリン盤はきいたことはありませんでした。

1990年代に実演&CDでききましたが、まさにイタリアの太陽と空気、悩みや苦しみのない明るく軽快な演奏でした。

こちらも資料&骨董品扱いで購入。そして、何より購入しようと思ったのはスコアが付いていたことです!

これで税込110円ですから、お得。

 

3.J.シュトラウスⅡ世:美しき青きドナウ他

 指揮:フリッツ・ライナー/シカゴ交響楽団

ライナーのシュトラウス演奏4曲(美しき青きドナウ・皇帝円舞曲・南国のばら・芸術家の生涯)とメンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」、ムソルグスキー交響詩「はげ山の一夜」(アンチェルのレコードと曲が被ってしまった!)

彼のシュトラウスのディスクは現役盤では手に入り難いので一部の曲でもきけるならと思い購入。但し、ジャケットは汚れが目立つので音質に不安が・・・見た目の盤面は比較的きれいですが・・・。

 

4.ベートーヴェン交響曲第6番「田園」

 指揮:パウル・クレツキ/フランス国立放送局管弦楽団

レコード頒布システムで知られている、コンサート・ホール・ソサエティのレコードです。

クレツキ(レコードの表記はポール・クレツキーになっています)のベートーヴェン??珍しい!と思い手に取りました。

クレツキの認識は、EMIにマーラー交響曲大地の歌」や「巨人」、シューマン交響曲全曲、各種協奏曲の伴奏指揮者くらいの記憶で、どちらかといえば「レコード会社の隙間埋め御用達指揮者」と思っていました(CDも廉価盤だったので)録音もきいたこともありません。

ジャケットも年季が入っており、盤質に不安もありましたが、この価格ならと思い購入(こちらも税込110円也)

*自宅に帰り盤面を確認しましたが、やっぱり傷等が目立ちます。ついでにクレツキについて調べました。

ベートーヴェン交響曲チェコ・フィルと1960年代に全集を録音しているそうです。また、生涯についても興味深いものがありました。

1900年にポーランドに生まれ、ベルリン・フィルにも20代にして客演するなど活躍も期待されていたそうですが、ユダヤ系であったこと、この年代に生きた全ての人間に影響を及ぼしたナチス・ドイツの台頭によりイタリアに逃れますが、ここでもファシスト党の迫害を受け、ソビエト連邦へ―しかしここでも赤の大粛清といわれる暗黒の時期にあたり、スイスに辿り着き市民権を取得し音楽活動をしたそうです。しかし、この間にドイツに残っていた両親や姉妹など親族はナチスにより殺害されています。クレツキ自身も精神の病になってしまったそうです。ヒトラームッソリーニスターリンの3人の独裁者に影響された人生―先のアンチェルとも共通しています。彼もナチスユダヤ人迫害により人生を狂わされたひとりです。現在の社会とも考えあわせると、戦争・人種差別がいかに人類にとって害悪でしかないと実感しました。

ふたりの共通点がもうひとつありました。没年が1973年だったことです。クレツキは3月5日にリハーサル中に急死されたそうです。

私が調べた限りは以上ですが、他に情報などをお持ちの方はコメントなどでご教示いただければ幸いです。

今回の買い物合計 LPレコード5枚 税込550円也。