音楽枕草子

クラッシク音楽や読書から趣味などの身辺雑記も含め、感想として綴ったblogです。

不定期投稿:最近のお買い物から

大手ディスク販売チェーン店にて中古CDをネット注文したものが届きましたので、その購入メモです。

 

シューマン:ツヴィッカウ交響曲/序曲集

 ハインツ・ホリガー指揮ケルンWDR交響楽団

        

ホリガーのイメージはオーボエ奏者でしたが、今ではすっかり指揮者として活躍しており、そのレパートリーも演奏スタイルも個性的です。

このディスクもシューマン交響曲全集録音の第6巻という扱いで、今ではそれほど珍曲扱いもされなくなりましたが、若いときに書きかけた交響曲の断片「ツヴィッカウ交響曲」と「マンフレッド」や「ゲノフェーファ」序曲以外の、めったに演奏されない4曲の序曲が収録されている補巻といったディスクです。この中でシューマン晩年の作品である、「ヘルマンとドロテーア」と「ジュリアス・シーザー」がきいてみたいと思い購入しました。

 

ショパン:バラード(全4曲)/前奏曲第25番/幻想曲

 ピアノ:マウリツィオ・ポリーニ

        

発売当時はそれほどショパンをきいていたわけではなかったので、スルーしていたディスクです。彼のスケルツォ集と練習曲集をきき直したので、他もきいてみようと思います。

 

③R.シュトラウス交響詩「ドン=キホーテ」/「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」/「ドン・ファン

 クレメンス・クラウス指揮ウィーン・フィル

        

吉田秀和さんの著書「世界の指揮者」を読み、私の認識ではニュー・イヤー・コンサートの原型を創りあげ、ウィンナ・ワルツの録音を残している「職人指揮者」というイメージでしかなく、「美しき青きドナウ」のテーマを大したことない。と書いている吉田秀和さんが、なぜこの指揮者について書いているの?という疑問。その出自についても気になっていたクレメンス・クラウス(1893~1954)

ウィーン出身でありながらも、戦後、ウィーンの国立歌劇場の監督にもなれず(第2次世界大戦中の行動や、オペラ劇場を取り巻く陰謀に巻き込まれたなど…)活動の場を求めるように南米へ行ったものの、その地で亡くなっています。

恐らく人気、実力ともにあった指揮者とは思いますが、第二次世界大戦が彼の人生を狂わせてしまい、時の運に恵まれなかったと言えます。ステレオ録音前に60代でこの世を去ってしまったことも大きいと思います。

クラウスについての情報は少なく、そのあたりに詳しい方がいらっしゃればご教示下さい。

生前はR.シュトラウスとの親交もあり、オペラの初演・上演を手掛け、このように交響詩の録音も残しています。先の吉田秀和さんの著作で「ドン・ファン」についての記述があるのできいてみようと思います。

 

ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス 

 ストラヴィンスキー:「プルチネルラ」組曲

 デュカス:交響詩魔法使いの弟子

 クレメンス・クラウス指揮ウィーン・フィル

        

こちらもクラウス関連。このミサ・ソレムニスが録音されたのは1940年11月のウィーン・ムジーク・フェラインザールでの演奏会ライヴです。ナチス・ドイツ併合下にあったオーストリア。前年にはポーランド侵攻により、第2次世界大戦が勃発し、この年にはフランス、ベルギー、オランダに侵攻、占領しています。そして、イギリス侵攻をも企て、ドーバー海峡を挟んでの「バトル・オブ・ブリテン」がその直前まで行われていました(結局ドイツ軍は制空権を奪取できず、イギリス侵攻を諦め、ソ連侵攻の計画を始めます)

その当時この戦争が、これからどのようになるか、未だわからない時期でありました。

メンゲルベルクのバッハの「マタイ受難曲」やワルターマーラー交響曲第9番のウィーン演奏などと同様に、そういった時代背景抜きにはきけない録音ではないでしょうか?

1991年にウィーン・フィル創立150年を記念として発売されたディスクで、現在は入手困難なので確保しました。創立記念に発売したディスクにラインナップされたことは記録だけない、意味のある演奏であるとも思います。

以上、長々と買い物メモを書かせていただきました。お付き合いいただきありがとうございました。