音楽枕草子

クラッシク音楽や読書から趣味などの身辺雑記も含め、感想として綴ったblogです。

【クレモナ】さん閉店 松本市②

先日投稿した、閉店される「クレモナ」さんに、取り置きのCDがあるので再訪しました。

お店に入り、顔を見るなり、「買うようなディスクあるかな。主なものは売れてしまったし・・・」と言われました。本当に棚一杯だったディスクの宝!を見てワクワクしたのに、空きが目立つ棚を見ると寂しく思います。

世間話をしていたら、ムラヴィンスキーを生でおききになっていることに驚きました。他にもピエール・フルニエ、ロリン・マゼールクルト・マズアジャン・フルネと海外オーケストラの名前が次々と出てきてビックリしました。

また、お店を経営されていると、まとまったお休みも取れないので、ご苦労もあったことでしょうが、賞味期限のある青果店、酪農家に比べれば、家族にも負担を掛けたと思うけれども、CD・LPには賞味期限がないのでそのぶん、楽であるとの笑い話にしてしまう返答に、やたらに若いときはこうだったとか、昔は大変だったみたいな、苦労話をしないご店主に敬意を覚えました。

さて、取り置きをお願いしておいたCDのみならず、やっぱり追加購入をしてしまいました・・・

ラヴェル:「ダフニストクロエ」第1・2組曲/ラ・ヴァルス/クープランの墓

 チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィル

       

 こちらが取り置きをお願いしておいたCD。もっぱらブルックナー指揮者のイメージですが、ドビュッシーラヴェルといったフランス音楽も実演でも取り上げていて、音色・響き共に繊細な表現が素晴らしいと思います。この録音も欲しいと思っていたもので、国内盤が手に入るならと思い購入。

 

ベートーヴェン:歌劇「レオノーレ」

 ガーディナー指揮オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティク他

       

 「フィデリオ」のプロトタイプとなるオペラ。昔、NHK-FMで同じガーディナーが上演した時の放送をエアチェックして持っていますが、3年前のベートーヴェン生誕250年記念で廉価再発売されたものの、買いそびれてしまったので入手。

 恐らく、録音も皆無で、国内盤として入手できる(特にこの廉価では)唯一になるのではないでしょうか?これを逃したら、現在のCD業界を考えると、入手困難になりそうなディスクです(対訳ブックレットも貴重)

 

モーツァルト:レクイエム

 カラヤン指揮ベルリン・フィル 他 (1975年録音)

     

 今回もLP買ってしまいました。同じジャケットデザインのCDも入手可能ですが、LPの方が存在感があります。特にグラモフォンのカラヤン盤は私にとって、憧れのアイテムです(500円で、帯付きだったの思わず手に取ってしまいました。。。)

 解説を数行読んだら、「この文体どこかで読んだような雰囲気だなぁ・・・黒田恭一さんでは?」と思い、帯で見えなかったのでずらしてみたらやっぱりでした。

         

 黒田恭一さんは、吉田秀和さんのような、徹底的な楽曲分析や、数多くの実演をきいた経験からの演奏家評論でもなく、宇野功芳さんのような、演奏家・音楽の好き嫌いだけで、情熱的な文章を書いた方々と違って、知らない音楽・演奏でも優しく、軽い語り口で、誘われるような文章が特徴でした。NHK-FMやTVの解説でも同様で、音楽への愛・演奏家への敬意が感じされました。それが、評論家としては甘ちゃんで、その名にふさわしくない、という意見を見ることもありますが、私がクラッシク音楽をきき始めた頃は、黒田さんのFMやTVでの解説、特にオペラに関係する著作を読んで、その知識を広めることのできた恩人です。

 このところは刺激的?個性的?一般的?な評論に接することが多かったので、久しぶりの再会が嬉しかったです。改めて黒田さんの文章に触れると、彼はきっとおしゃれで、ダンディな方だったのではないだろうか?と想像してしまいます。

以上、脇道に逸れてしまいましたが、クレモナさんの閉店記&お買い物記録でした。

PS.クレモナさんでの購入額に応じ、いただいていたサービス券があることを思い出し、今更ですが使ってもいいですか?とお聞きしたら、大丈夫!とのことだったので再々訪問します。またここに投稿予定ですので、よろしくお願いします。