音楽枕草子

クラッシク音楽や読書から趣味などの身辺雑記も含め、感想として綴ったblogです。

不定期投稿:最近のお買い物から~中古LPレコード購入

今回はLPレコード購入メモの投稿にお付き合いいただければ幸いです。

以前にも書きましたが、自宅から車で10分程の所にあるHARD OFF(エコ・リユース・ファクトリー)では1枚税込110円のLPレコードが段ボールに入れられ、ジャンル混在、状態が悪いものまで雑多に置かれています。その中に「コンサート・ホール・ソサエティ」のレコードが多数あり、その飾り気の無いジャケット(基本2色くらい色を使った絵か、収録曲と関係の無い写真)に最近ハマりコツコツ収集をはじめたところだったので、「これは!」と喜び勇んで捕獲してしまった、その報告となります。コアな内容ですがお付き合いいただければ幸いです。

「コンサート・ホール・ソサエティ」とは第2次世界大戦後にアメリカで設立された会員制&廉価によるレコードの通信販売で世界中に波及した頒布システムです。日本でもステレオ・ブームの波に乗り販売されていましたが、次第に経営不振となり事業停止となったことから、残された膨大な録音は一部メジャーなもの以外、現在では入手困難になっているそうです。

知られている録音はシャルル・ミンシュの幻想交響曲ピエール・ブーレーズ春の祭典などですが、実態の分からないオーケストラの録音なども多数あり玉石混合のレコードと割り切って、その宝探し&怪しさ(当たり外れ)が面白いです。

しかし、以前きいたウラド・ペルルミュテールのショパンパウル・クレツキの「田園」など興味深いレコードがある事を知り、CD化されているものを除き興味があるものから集めています。

今回捕獲したレコードは以下の4枚です。

 

チャイコフスキーバレエ音楽「眠りの森の美女」抜粋(SMS-2570)

 指揮:ロリン・マゼール/ベルリン放送交響楽団

この頃のマゼールの録音は後年のようなアクの強さがなくてその演奏様式はべつとして音楽の良さをストレートに引き出してくれるものが多いです。バッハのブランデンブルク協奏曲管弦楽組曲、ミサ曲ロ短調など。

チャイコフスキー交響曲や「1812年」などの管弦楽曲ウィーン・フィルと録音していたと思いますが、バレエ音楽の録音は知りません。

 

モーツァルト交響曲第29番・第25番(CHJ-30043)

 指揮:ロリン・マゼール/ベルリン放送交響楽団

同じくマゼールが指揮した珍しい!モーツァルト。正規としては唯一の録音ではないでしょうか?後期3大交響曲は取り上げているかもしれませんが。初期を代表する傑作2曲の交響曲を若きマゼールがどのようにきかせてくれるか気になります。

 

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 (CHJ-30050)

 ヴァイオリン:ダヴィド・オイストラフ

(レコードの表記はダヴィッド・オイストラッフ)

 指揮:キリル・コンドラシン/ソヴィエト放送交響楽団

こういった大家の録音もあるのがコンサート・ホール・ソサエティの魅力です。オイストラフはEMIにアンドレ・クリュイタンスと録音があり、コンドラシンは後年ロンドン・レーベルにウィーン・フィルを振ってチョン・キョンファとも共演をしています。

ソヴィエト放送交響楽団はきいたことはない謎のオーケストラです。

 

ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」 (CHJ-30052)

 ソプラノ:マリア・シュターダー/アルト:ソフィア・ヴァン・サンテ

 テノール:エリック・タピー/バリトン:フランツ・クラッス

 合唱:アムステルダム・トーンキュンストコール

 指揮:ウィレム・ヴァン・オッテルロー/ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団

オッテルロー(1907-1978)は一部のマニアにきかれているオランダの指揮者です。

オッテルローにはベルリン・フィルとの「英雄」のマニア推薦のレコードがありますが、この大曲をどのように仕上げているか気になります。

独唱者はソプラノのシュターダーとテノールのタピー以外は知りません。

このハーグ・フィルハーモニーはオッテルローが常任を務めていた楽団とのことです(私にはカール・シューリヒトとブルックナー交響曲第7番を録音しているオーケストラという印象です)なぜかアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮したという記録がないのが不思議です。また、活動もほとんど同オーケストラとのもので、海外での活動もほとんどありません。政治的な絡みとか第二次世界大戦とかが影響しているのでしょうか?

その逆に同国出身で少し先輩のエドゥアルト・ファン・ベイヌム(1901-1959)は戦前からコンセルトヘボウ管弦楽団を指揮しており、大戦後に常任指揮者のメンゲルベルクが戦犯容疑で追放されると副指揮者のベイヌムが昇格してその地位に就き、海外オーケストラ客演やロンドン・フィルハーモニーの首席指揮者などにも就任しています。

同世代の2人の実力があった指揮者の活動がこうも違っているのか?特にオランダの指揮者の情報は少ないのでその辺の事情が分かる方がいらっしゃればご教示下さい。

他にもハインツ・ワルベルク指揮ウィーン交響楽団とのブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」や正体不明の団体によるバロック音楽集、クリップやスワロスフキーによるシュトラウスのワルツ集、知らない演奏家など、110円とはいえ購入に躊躇するビミョーなアイテムは保留しました。

ただ、この時代に限らずLPレコード時代はあまり録音データへの執着がなかったのか、収録年月日や場所の表記がないものばかりで解説から推測したり、ネットにあたってみたりの必要があります。

以上、今は無きコンサート・ホール・ソサエティのLPレコード収集記録でした。

レコード買い物メモの投稿にお付き合いいただき、ありがとうございました。

追記:この連休は私学に通っている息子の野球応援の予定でしたが、まさかの春大会は2回戦負け・・・予定が空いてしまったので週末はブログ投稿の連投をしてみたいと思います。