音楽枕草子

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Selct Classic(35)〜シャブリエ:田園組曲

明日はフランスの作曲家アレクシ=エマニュエル・シャブリエ(Alexis-Emmanuel Chabrier, 1841年1月18日 – 1894年9月13日)のBirthdayにあたります。そこで皆さんに彼の作品を紹介できればと思います。

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シャブリエは幼年期からピアノの腕前もあり、本人も音楽への興味関心があったものの、父親のアドバイスもあり法律を学び内務省に努めました(親としては当然「音楽の道で食っていけるのか?」という心配もあったことは良く分かります)そして働きながらもいわば趣味として独学で音楽の学習を続けていたそうです。しかし1880年にミュンヘンでワーグナー楽劇「トリスタンとイゾルデ」の上演に衝撃を受け39歳で公務員を退職、本格的に作曲家への道を歩み出しました。1894年には53歳の若さで亡くなっているので作曲家としての生涯は約14年ほどですので残された作品も多くはありません。また、絵画収集もしていたそうで、印象派画家のセザンヌ、マネ、モネとのつながりもあったこのことです。


シャブリエの代表作といえばオーケストラ・ピースとして有名な狂詩曲「スペイン」が断トツでしょう。この音楽のもつ鮮やかなオーケストレーション、スペイン情緒を感じるリズムなどをきくと後のドビュッシーやラヴェルが「スペイン」を題材に音楽が書けるという先駆けになったと思います。


他に彼は喜歌劇やオーケストラ作品なども書いていますが、今回は彼のピアノ作品集をオーケストラ編曲した「田園組曲」をご紹介できればと思います。
シャブリエはピアノ作品もそれなりの数を残しており、特に「絵画的小品集」はその中核となる作品です。


①風景 (Paysage)―②憂鬱 (Mélancolie)―③つむじ風 (Tourbillon)―④森の中で (Sous-bois)―⑤ムーア風の舞曲 (Mauresque)―⑥牧歌 (Idylle)―⑦村の踊り (Danse villageoise)―⑧即興曲 (Improvisation)―⑨華やかなメヌエット (Menuet pompeux)―⑩スケルツォ=ヴァルス (Scherzo-valse)の10曲から構成され1881年に完成しました。
そこから⑥牧歌 (Idylle)―⑦村の踊り (Danse villageoise) ―④森の中で (Sous-bois) ―⑩スケルツォ-ヴァルス (Scherzo-valse)の4曲を取出し1888年にオーケストレーションした作品となります。
「牧歌」や「森の中で」の繊細で詩情あふれる響き、「村の踊り」ではユーモアを「スケルツィ-ヴァルス」の躍動と優雅さが同居・交差する。原曲にあったラモーやクープランへのオマージュ、古典音楽との邂逅の要素みたいなものも編曲されても失っていません。
湧き立つようなリズム、深刻さや持って回したようなまどろっこしさが不在の活き活きとした音楽が並びます。


ワーグナーの音楽にインパクトを受けたといわれますが、フランスの作曲家というIdentityもあったのでしょう、衝撃は受けたけれども影響はされておらず、また本格的な音楽教育を受けていないにもかかわらず独自性と後の時代に与えた影響を考えるとその存在の必要性を感じる作曲家であります。


【Disc】
古典音楽のプロフェッショナルと思われていたジョン・エリオット・ガーディナー(1943~)がドイツ・グラモフォンと、このシャブリエやレハールの「メリー・ウィドウ」そしてクルト・ヴァイル、ストラヴィンスキーのタイトルを発売した1枚。この頃はこういった録音もできるほどメジャー・レーベルも余裕があった!

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狂詩曲「スペイン」なども収録された管弦楽作品集で、オーケストラがウィーン・フィルということもあり、舞曲のリズム感や音色の輝きで「お国もの」好きにはやや波長が合わないかもしれませんが、ウィンナ・ワルツの香りをまといながらもシャブリエの「エスプリ」をきかせてくれる気の効いた演奏。
レパートリーに死角の無いガーディナーに驚きです。