ショスタコーヴィチ没後50年&現在投稿中の交響曲完聴記の補講用として購入したディスク紹介です。
TOWER RECORDさんとAmazonさんのセールにて入手しました。
○ショスタコーヴィチ:第12番「1917年」/ステパン・ラージンの処刑
(タワーレコード PROC-1152)
バス:ジークフリート・フォーゲル、指揮:オハン・ドゥリアン・/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団・合唱団
指揮:ヘルベルト・ケーゲル/ライプツィヒ放送交響楽団・合唱団

第11番「1905年」と共にロシア革命に標題を持ち、第2番でも扱ったレーニンの十月革命を題材とした交響曲。
1961年の第22回共産党大会を記念して作曲されたことから体制迎合、革命&レーニン賛歌であるので特に西側での評価は芳しくなく、演奏頻度も少ない交響曲です。
オハン・ドゥリアン(1922-2011)は初めて目にする全く未知の指揮者です。エルサレムに生まれ主にアルメニアで活動、西側・東側の数多くのオーケストラにも客演したそうです。
ケーゲル(1920-1990)指揮によるバス独唱とオーケストラ&コーラスによるカンタータ風の作品「ステパン・ラージンの処刑」という珍しい作品と共に興味あるディスクです。

*ネットから探したドゥリアン氏の写真。経歴やディスコグラフィーに詳しい方はご教示いただければ幸いです。
○ショスタコーヴィチ:交響曲第13番「バビ・ヤール」 (タワーレコード PROA-30)
バス:ジョン・シャーリー・カーク、指揮:キリル・コンドラシン/バイエルン放送交響楽団・合唱団

第11番・第12番で革命賛歌を書き体制と折り合いをつけていたかと思わせたショスタコーヴィチが突如、ソ連におけるユダヤ人迫害を衝いた問題作。
「バビ・ヤール」とは当時ソ連を構成していたウクライナのキエフ(現在はキーウという呼称が一般になりました)近郊の地域名で、1941年ソ連に侵攻したナチス・ドイツ軍がユダヤ人の大量殺りくを行い、その渓谷に埋めたことに由来します―この作品の詳細は完聴記投稿時に改めてご案内します。
コンドラシンは1962年の初演を指揮しています。当初ムラヴィンスキーに打診したものの断られ、作品の題材もあって共産党指導部から初演中止の圧力を受けながらもコンドラシンは指揮台に登りました。解釈の難しいこの交響曲理解になればと思います。
以下はAmazonさんセール品から
(WEITBLICK SSS0175-2)

チェリビダッケのショスタコーヴィチはミュンヘン・フィルとの第1番と第9番、そして第7番「レニングラード」の古いモノラル録音のみでしたので、有名な第5番の録音が残されていたことに驚きました。
(ミュンヘン・フィル時代にも演奏してはいるそうですが、録音は残っていない)
当り前ですが通俗的な交響曲としてはきかせない演奏でしょう。どのような表現が期待できるディスクです。
ショスタコーヴィチの交響曲の受容については先日投稿した中川右介さんの著書「冷戦とクラシック」(NHK出版新書2017年刊)でも勉強になりました。