本日7月16日は指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンがスイスのサンモリッツで亡くなって36年目の仏教風に表現するなら36回忌になります。
そこで最近Amazonさんで購入したカラヤンのディスク紹介で彼を偲ぶ投稿にしたいと思います。
◎ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界から」、スメタナ:交響詩「モルダウ」
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 東芝EMI TOCE-7142

この有名な交響曲をカラヤンが残した録音といえば1985年にウィーン・フィルとのものが名高いですがゴメンナサイ・・・この録音にはピンとくるものがありません。
名演として推薦もされていたのできいてきましたがだんだんと魅力を失ってしまいました。例えて言うなら炭酸の抜けた清涼飲料水。晩年のカラヤンが時々きかせるオーケストラに任せっぱなしにしたような感じ。指揮者の統率力や意志が希薄というか。
個人的には古いものですが、第2次世界大戦中にベルリン・フィルと1940年に録音したほうに進取の姿勢が合って好きです。
このディスクは1958年、ベルリン・フィルのシェフになって2年目の録音です。あまり知られていない演奏ですがカラヤンの隠れ名演らしいです。存在は知っていましたがきいたことが無いのでこの時期のカラヤンはブルックナーの交響曲第8番、R.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」など後年の再録音にはない、颯爽としてリズム感が魅力な演奏を残していますので期待したいです。
◎ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲/交響詩「海」、フランク:交響曲
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、パリ管弦楽団 東芝EMI TOCE-3267

カラヤンのフランス物をきくと不思議に思うことがあります。あんなにベートーヴェンのシンフォニーを速いテンポで軽快に演奏しているのにドビュッシーやラヴェルでは腰の重い濃厚にして旋律美を際立たせるのだろうと。天邪鬼カラヤン!?
このドビュッシーをきいていると特にその印象を持ちます。
逆にそれが効果的なのがフランク。パリ管弦楽団を指揮しているせいか振幅が大きくこの交響曲の持ち味と構成がうまく表現されていると思います。
◎マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」、レオンカヴァルロ:歌劇「道化師」
サントゥッツァ:フィオエンツォ・コッソット、トゥリッドゥ:ジャンフランコ・チェッケーレ
カニオ:ジョン・ヴィッカース、ネッダ:ライナ・カイヴァンスカ他

カラヤンお得意の?舞台芸術にも参画しているオペラ映画2作品。またカラヤン自身も1965年に製作したビゼーの歌劇「カルメン」で調子に乗ったのか「道化師」においてもカメオ出演しています。
現在からみれば古臭い演出・映像作品化もしれませんが、懐古的にドラマ的な感覚で視聴するオペラといえるでしょう。
以上、最近購入したカラヤン命日のディスク紹介でした。
これから1968年8月のザルツブルク音楽祭のライヴ録音―シューベルト:交響曲第8番「未完成」とウィンナ・ワルツ集のディスクをきいて改めてカラヤンの命日を締めくくりたいと思います。
