音楽枕草子

クラッシク音楽や読書から趣味などの身辺雑記も含め、感想として綴ったblogです。

Selct Classic(1)~スッペ:喜歌劇「軽騎兵」序曲

今週は私のお気に入り、または思い出深い曲などから、皆様にもおきき頂きたいクラシック音楽をオススメしていきたいと思います。

この音楽、曲名は知らなくても、一度きけば多くの方が小学校の音楽鑑賞の授業や、TVのBGMとして耳にしたことはあると思います。私のクラシック音楽初体験曲はこの曲でした。


自宅に父親のLPレコードがあり、そこでよくきいてー当時はきくでもなく、遊んでいる横で流れていたといったほうが正しいです。

そのレコードには他に、ポンキエルリの「時の踊り」やワルトトイフェルの「スケーターズ・ワルツ」、そしてビゼーの「アルルの女」など、通俗名曲といわれる小品が収められており、演奏はカラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団でした。

印章にあるのは、目をつぶり音楽に陶酔しているように見えるカラヤンの指揮姿がカッコよかったこと!幼少期はそのレコードが流れている横で指揮の真似事をしていたそうですが、記憶にはありません。

さて、その作曲者フランツ・フォン・スッペ(1819〜1895)はオーストリア出身で、生涯に30曲のオペレッタ(喜歌劇)を書き、シンフォニーや宗教曲まで作曲しているそうです。と書いていますが、それを知ったのは最近であり、だからといって他の宗教曲などをきいてみたいかとも思うこともなく(そもそもディスクがあるかも調べたこともありませんが)いつまでも私にとってのスッペは「軽騎兵」序曲の作曲家としての認識があるだけです。

同時に喜歌劇「軽騎兵」の内容すらよく知りません。軍隊生活でも描いた作品なのでしょうか?だいたい「軽騎兵」に限らず他のスッペのオペレッタ、同時代のオペレッタもそうですが、大衆演劇のように娯楽の一種という扱いだったので、大量生産・大量消費され、名前のみでスコアが残っていない、アリアだけしか残っていない作品ばかりです。現在も上演されたり、録音されたりということも無い作品ばかりです。しかしながら序曲だけは小さい頃からお馴染みの音楽であります。

壮麗なファンファーレに始まり、騎兵隊が敵中へ駆ける様子、中間部の戦死した仲間を悼むようなしっとりしたメロディー、故郷に残した家族や愛する人への想い、同じ題材で作曲したシューベルトマーラーも表現した、旧日本軍の軍歌であれば「露営の唄」みたいな場面が思い浮かびます。しかし翌朝を迎え、再び戦いへと臨む騎兵たちの姿が文章にするまでもなく、きく人すべてが耳で感じることのできる曲です。
蛇足ながら、「軽騎兵」がいるなら「重騎兵」がいるのか?という話ですが、簡単にご説明すると―「軽騎兵」は装備も名前の通り軽く、その機動力を活かし、敵情偵察や部隊間の連絡が主な任務で、「重騎兵」は厚い鎧を着用した騎兵で、そのパワーを生かして前線突破する、近代戦で例えるなら戦車の役割といえるでしょう。

【Disc】
カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団盤ー何年かぶりにきいてみてやっぱりこの演奏だと思います。ベルリン・フィルとの再録音でもいいです。カラヤンは律儀に?「詩人と農夫」など合計6曲のスッペ序曲集として録音を残すという、贅沢なディスクがあります(もちろん実演で取り上げたのは「軽騎兵」序曲のみでしたが。確かコンサート映像で観たことがあります)
他の演奏はきいてもあまり記憶もなく(ショルティの演奏は速いテンポでせかせかしている印象でした)、今の時代にこの曲にききても演奏家(もちろんレーベルも)求めていないので、新しく登場する可能性も皆無でありますが、カラヤン盤があれば十分ではないでしょうか?
もしもチェリビダッケカルロス・クライバーの音源が発見され、発売されたとなれば別ですが…

         

カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団

様々録音を集めたアンソロジー盤ですが、一時音楽監督を務めていたパリ管弦楽団を指揮するベルリオーズ幻想交響曲の映像収録全曲のDVD目当てで購入したディスク。

 

         

カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

レハールの喜歌劇「メリー・ウィドウ」の2枚目にスッペの序曲集アルバムがセットになっているディスク。

メリー・ウィドウ」、序曲集共に重厚でマジメな演奏だからこそ飽きの来ない録音かも知れません。